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危険物倉庫とは?基準や法令・取り扱える施設の種類について

2023.12.01

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      倉庫とひと口に言ってもさまざまな種類があり、なかには法律で定められた危険物を保管する危険物倉庫というものがあります。これらは消防法にもとづきそれぞれの特徴で分けられていて、全部で6種類に分類されています。

       

      今回は、この危険物倉庫にフォーカスしてどのようなものが危険なのか、各自の基準や法令などについて解説していきます。危険物倉庫について詳しく知りたい方はぜひ目を通してください。

       

       

      危険物倉庫とは

      危険物倉庫とは、引火や発火などの恐れや有毒ガスの排出など人体にとって危険を及ぼすものを保管する施設のことをいいます。とはいえ、なんでも危険なら保管できるというわけではなく、国の法律で定められた基準や種類により特別な許可を得て保管しなければなりません。

       

      保管できるものは国で指定されている物質であり、消防法や建築基準法などで設備や人員体制も整えた状態で保管することが基本です。あらたに倉庫を建てる際は関係各所との細かい協議や打ち合わせなども必要です。その際は各種申請や許可取得といった手続きも複雑で、細かい基準をクリアするために工期が長くなる傾向があります。

       

      危険物に該当するもの

      はじめに、国が危険物に指定している物質にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。大きく分けて6種類あり、それぞれに指定数以上あるものは必ず危険物倉庫で保管し、それ以外の場所で取り扱うことが禁止されています。ここでは消防法第2条第7項の別表第1を参考に解説していきます。

       

      第一類

      第一類には酸化性個体と呼ばれる性質のものが挙げられます。主に、塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機過酸化物、亜塩素酸塩類、臭素酸塩類、硝酸塩類、よう素酸塩類、過マンガン酸塩類、重クロム酸塩類などがあります。

       

      また、このほかでも国が定めるものや、いずれかの物質を含むものも危険物として扱われることがあります。

       

      第二類

      第二類には、可燃性固体と呼ばれる性質の物質が挙げられます。主に、硫化りん、赤りん、硫黄、鉄粉、金属粉、マグネシウムなどです。硫黄は温泉地などでも触れる機会がありますが、これはお湯に溶けている状態であり安全を確認したうえで楽しめるものとなっています。

       

      また、鉄粉は日常のなかでも静電気による発火事例があるなど意外と身近なところでも危険な物質です。安全工学の観点からもこれらの物質は取り扱いに注意が必要だといえるでしょう。

       

      第三類

      第三類には自然発火性物質や禁水性物質などが挙げられます。主に、カリウム、ナトリウム、アルキルアルミニウム、アルキルリチウム、黄りん、アルカリ金属(カリウムやナトリウムを除く)およびアルカリ土類金属、有機金属化合物(アルキルアルミニウムやアルキルリチウムを除く)、金属の水素化物、金属のりん化物、カルシウムまたはアルミニウムの炭化物などです。

       

      あまり見聞きしない物質が名を連ねていますが、空気に触れると自然発火するものや、水との接触により発火や可燃性のガスを発生させる恐れがあるものです。

       

      第四類

      第四類には引火性液体という性質が挙げられます。主に、特殊引火物、第一石油類、アルコール類、第二石油類、第三石油類、第四石油類、動植物油類です。ここで共通しているのは引火性をもつ液体で、蒸気が空気と混ざると引火や爆発の可能性があることです。空気より重く低いところに蒸気が溜まりやすいといった特徴もあります。

       

      第五類

      第五類には自己反応性物質が挙げられます。主なものとして有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物、ニトロソ化合物、アゾ化合物、ジアゾ化合物、ヒドラジンの誘導体、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン塩類などが挙げられます。

       

      これらの物質が加熱や分解などで自己反応をするときに、発熱をするもしくは爆発的に反応するといった特徴があります。なかには加熱や衝撃、摩擦などでも発火や爆発を起こすものもあります。

       

      第六類

      第六類には酸化性液体という物質がカテゴライズされ、主な物質は過塩素酸、過酸化水素、硝酸などが挙げられます。これらの物質は単体では燃えないものの、ほかの物質を酸化させる液体という特徴があります。水にふれると発熱するもの、蒸気が有害なものなどもあるため、不燃性の液体だからといって軽視禁物といえるでしょう。

       

      危険物倉庫の基準

      さまざまな性質をもつ危険物を保管するためには、安全を確保できるだけの基準や制約に沿った施設が必要です。ここでは危険物倉庫の基準についてチェックしていきましょう。

       

      位置などに関する基準

      危険物倉庫を建てる場合は、周囲の環境も事前に調査しなければなりません。たとえば、学校や病院といった保安対象となる施設が近くにないことや、あるとすれば適切な保安距離を確保するなどの対応が不可欠です。

       

      なお、危険物をどのくらい保管するかにより、万が一発火した際に速やかに消火活動できるよう保有空地も設けなければなりません。保有空地を設けた際には、そこには建物などを設置できなくなるのでその点も把握しておきましょう。

       

      規模などに関する基準

      危険物倉庫の軒高は6m未満であり平屋構造になっていることが条件となっています。これよりも高い場合は、基準をクリアできないため、必ず6m未満にする必要があります。また、延べ床面積は1,000平米以下と定められています。

       

      加えて、貯蔵量に適した保有空地も必要となるため、あらたに建設する際は敷地面積や倉庫の規模も考えなければなりません。

       

      構造などに関する基準

      倉庫の屋根や梁は不燃材料を使用し、柱や壁・床などは耐火構造のものを使用します。これは危険物の多くが発火や爆発の恐れがあるためです。また、出入口を除き窓などを設けることはできないのでこの点も覚えておきましょう。

       

      ただ、延焼の危険性がない危険物の場合は窓を設置できるケースもあります。窓を設ける際は防火設備を備えることが基本であり、窓ガラスは網入りガラスが標準基準となっています。

       

      危険物倉庫の建設に関する法令

      危険物倉庫は、危険物の種類や構造などのみならず、さまざまな法律で規制されているなかで建築を進めなければなりません。これから建築予定がある場合にしっておきたい法律をおさらいしていきましょう。

       

      都市計画法

      都市計画に関する事項を定める法律で、都市計画や都市計画制限等、都市計画事業や都市施設等設備協定などが挙げられます。なかでも危険物倉庫は全者2つに該当し、倉庫を建てる区域が「用途地域」に制限されています。

       

      ただ、用途地域であったとしてもさらに厳しく制限されているため、消防署や自治体との綿密な相談や交渉が必要だといえるでしょう。

       

      建築基準法

      建築基準法は建物や土地に関する法律で、主に建築物・建築物の敷地・設備・構造・用途などを対象に規制しています。倉庫においては面積・高さ・建ぺい率・容積率・保安空地などを中心に規制を課しているものです。

       

      建築基準法が定めるなかで危険物倉庫を建てられるのは工業用地と校長専用地域となっています。ただ、危険物が少量・危険度が低い場合は、別のエリアに建築することもできます。

       

      消防法

      消防法は火災からさまざまなものを守るために制定されている法律で、主に火災を発生させる危険性が高い物質や火災を拡大させる恐れがある物質、消化困難な物質を前述したように6種類に分類して指定しています。倉庫の規制はもちろん、危険物の取り扱い方、運搬方法なども基準を設けています。

       

      港湾法

      港湾区域をはじめとする工事や開発保全航路などを定める港湾法は、危険物に関する内容も含まれています。主に輸出入で船に積み込まれる危険物と船の燃料となる危険物について規制している法律です。

       

      危険物を取り扱える施設の種類

      危険物を保管するにはさまざまな法律で定められた場所や条件があり、とりわけ施設に関しては厳しく規制されています。ここでは危険物を保管できる施設について、種類とそれぞれの特徴をチェックしていきましょう。

       

      危険物製造所

      危険物を取り扱う事ができる施設は、主に危険物製造所・危険物貯蔵所・危険物取扱所の3つがあります。危険物を扱う施設というと人里離れた場所にあるようなイメージの方もいると思いますが、それぞれに法規制に則った体制を整えて運営されています。

       

      はじめに紹介する危険物製造所は、名前のとおり危険物を製造する施設です。危険物を製造する場のため日常的に指定数量以上の危険物が施設内にあると解釈しても問題ありません。そのため、建物の構造や設備などは法で定められた厳格な基準を満たしていることが前提になります。

       

      なお、この施設内で万が一発火や爆発が起きたとしても、最小限の被害に収めるよう設計されていることや、避雷針や排気口、照明や採光に関する設備も整っています。

       

      危険物貯蔵所

      危険物貯蔵所は、危険物の貯蔵を目的とした施設で、屋内貯蔵所や屋外貯蔵所、移動可能なタンク貯蔵所などいくつかの種類があります。施設として紹介している手前、建物のイメージがあると思いますが、タンクローリーなども含まれるため、想像以上に広い意味を持っていることが特徴です。

       

      一般的に危険物倉庫と呼ばれる施設は屋内貯蔵所にあたり、そのほかには地下タンク貯蔵所・簡易タンク貯蔵所などもあります。

       

      危険物取扱所

      危険物取扱所は、製造には一切携わらないことを前提としている施設です。貯蔵をメインとした倉庫との違いとして、危険物を保管する以外に販売や移動に深い関わりがあることが挙げられます。

       

      たとえば、ガソリンスタンドはガソリンなどの危険物を大量に保管していますが、給油による販売をしていることから危険物取扱所となります。取扱所は日常生活のなかで意外と身近なところにあるのも特徴で、比較的危険度が高くないものを扱う傾向があるといえるでしょう。

       

      これらの危険物を扱う施設は、さまざまな法律に則って建てようとすると費用が高額になることも珍しくありません。しかし、扱う危険物がごく少量の場合、一般的な倉庫でも取り扱えるケースがあるのです。これは消防法で定める指定数量に起因するもので、指定数量の1/5未満なら一般的な倉庫でも取扱可能となります。

       

      ただ、指定数量の1/5といっても種類により基準が異なることや、自治体により規制を設けている場合もあるので事前の確認が必要でしょう。次は、少量の危険物を取り扱う場合の倉庫について解説していきます。

       

      危険物はテント倉庫でも保管可能

      国や自治体のさまざまな法律を守り基準をクリアした場合、危険物はテントの倉庫でも扱うことができます。テントは耐久性や耐火性などにおいて不安に感じるところがあると思いますが、法律のうえでは建築物として定められています。細かい条件や基準をクリアすれば危険物倉庫としても問題なく活用できるのです。

       

      テント倉庫とは

      テント倉庫は金属の骨組みに生地を被せて設置する膜構造という建設物です。短い工期と低予算で建てられるのも魅力といえるでしょう。各法令に則って建築することは言うまでもありませんが、延べ床面積により消防用設備が異なる点には注意が必要です。

       

      たとえば、500平米未満なら消化器のみ、500平米以上なら消化器+火災報知器、700平米以上なら消化器+火災報知器+屋内消火栓といったように広くなるほど消火用設備も増えます。また、これらの設備について定期的に点検を行い消防署への報告を行うことも必要なので、比較的短期的な保管や取り扱いに向いているといえるでしょう。

       

      テントの生地は防炎生地を用いることが多く、簡単に着火しないことや自己消火する素材であることから採用されています。そのほか、建築基準法で不燃材料として認められている不燃生地などを採用するケースもあります。

       

      不燃生地は加熱してから20分間は燃えないことや、変形したり溶けたり亀裂が入ることがない、有害なガスなどを発生しないといったことが特徴です。やや柔軟性に欠けるところはあるものの、燃焼しない素材に重きを置くなら使ってみるのもよいでしょう。

       

      テント倉庫のメリット

      テント倉庫は、短期間かつ低コストで建てられることが最大のメリットですが、そのほかにも外壁にガルバリウム鋼版を用いれば防犯性を高められることや、耐用年数が10~20年と長くメンテナンスしやすいことも挙げられます。

       

      柱がないので効率的に広々した空間を確保できることや採光性の高さや地震に強いといった安全性も高いです。扱う危険物の種類や量にもよりますが、諸条件や基準をクリアできるならテント倉庫も一考の価値があるでしょう。

       

      危険物倉庫の基準や法令、取り扱える施設の種類について詳しく解説しましたが、こちらではテント倉庫と他倉庫のメリット・デメリットについてさらに掘り下げて解説しますので、倉庫の選定にぜひ参考にしてください。

       

      まとめ

      危険物を保管・取り扱う危険物倉庫は、国や自治体を含むさまざまな法律で規制があり、厳しい基準をクリアしなければならないことがわかりました。これらのすべての条件を満たすには倉庫建築に膨大なコストがかかることも想像できるでしょう。

       

      もし、危険物を扱う場合に建築コストが気になるなら、思い切ってテント倉庫を検討することをおすすめします。テント倉庫は短工期かつ低コスト、柔軟な対応ができることが魅力です。

       

      山口産業株式会社では、危険物に限らずさまざまな規格に合う膜構造のテント倉庫を提供しています。膜材における最新技術をいち早く取り入れ、用途や目的はもちろん、デザイン性や工期にも配慮したテント倉庫を提案いたします。

       

      商業用・防災用・産業用・農業・畜産用・建築用・イベント用などありとあらゆるケースに豊富な実績を保有しているので、テント倉庫をはじめとする膜構造のことなら山口産業株式会社にご相談ください。

       

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