2023.10.01
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テント倉庫は構造がシンプルのため短期間で建築できるうえに、立地条件に応じて、大きさや形などカスタマイズも可能です。
この記事では、テント倉庫の施工期間と施工手順を含めた全体の流れについて解説します。また、テント倉庫の選び方や施工業者を選ぶ際のポイントについても解説します。
テント倉庫をイベントなどの備品や機材の保管場所として導入したいと検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
テント倉庫の施工期間は2~3か月程度です。施工期間が短いことがテント倉庫の魅力です。一般的に、システム建築は4か月程度、プレハブ建築倉庫は3か月程度のため、テント倉庫はもっとも工期が短い倉庫建築になります。
短くできる理由としては、骨組みが非常に軽量で、地盤が緩い状態の土地でも設置が可能です。杭工事も不要な仕組みのため、短くできるのです。また、移設や増設に関しても、同様に短い期間で対応ができます。
ここでは、テント倉庫の施工手順について以下のとおりです。
・事前打ち合わせ
・現地確認・法的確認
・見積もり・仕様書確認・契約
・図面・構造計算書作成・確認申請手続き
・テント倉庫の製作・基礎工事
・テント倉庫の建設
・工事完了・引き渡し
それぞれ詳しく解説します。
まずは、テント倉庫の施工業者と事前打ち合わせを行います。テント倉庫の建設予定地や使用目的のヒアリングを行い、テント倉庫の形やサイズなどの使用を決めます。
竣工日や予算についての希望を出し、最適な提案をしてもらうようにしましょう。事前打ち合わせの目安は10日ほど見ておくとよいでしょう。
事前打ち合わせ後は、担当者と実際に建設する予定の現地確認と法的確認が行われます。確認作業は、実際に倉庫を建てられる地盤かどうかや、水道などの排水や電気関係、重機などの搬入路の確認です。
また、高さ制限があるかなどの周辺環境も含めて、法的に問題ないか諸官庁の制限事項の確認もあわせて行われます。
事前打ち合わせや現地・法的確認の調査結果をもとに見積もりを作成します。調査結果に法規的に問題ないか検討結果を踏まえ、提案が行われます。内容確認後、問題なければ契約書に捺印し発注となります。
建築図面や構造計算を行ったのち、各都道府県の建築家(指定確認検査機関)へ建築確認申請の手続きを行います。建築確認申請とは、建築物を建築する際、建築基準法、都市計画法、消防法など多くの法令によるさまざまな規制に適合しているかを事前にチェックすることです。
建築主が確認申請書や設計図書などを、建築確認や完了検査を行う都道府県または市町村の職員へ提出します。同様に、建築設備や工作物などを設ける場合にもそれぞれ申請が必要となります。法的に適合していることが確認されれば「確認済証」が交付されます。
なお、建築確認申請には手数料が発生し、床面積の合計によって数千円~数十万円と手数料が異なります。手数料の金額は自治体によっても異なります。
また、テント倉庫は国土交通省告示667号適用の緩和措置により、構造計算適合判定が不要になる場合があります。ただし、構造計算適合判定が必要と判断された場合は「指定構造計算適合判定機関」に書類を提出しなければ、確認済証が発行されない場合もあるため注意が必要です。
建築確認申請の流れは以下のとおりです。
1. 建築確認申請を行う
2. 各自治体にて書類審査
3. 審査通過後「建築確認済証」の交付
4. 工事着工・完成
5. 完成後の審査を申請
6. 検査実施後「検査済証」の交付
7. テント倉庫の使用開始
テント倉庫は、法律や条例に適合しているかどうか、建築基準法にもとづき建てる必要があります。申請期間の目安は30日ほどです。
建築確認申請手続き完了後は、テントの生地や鉄骨の製造が開始されます。製造と並行して建設予定地の基礎工事も行われます。生地や鉄骨、基礎工事期間の目安は20日ほどです。
建築部材が完成したら、テント倉庫の建設工事が開始されます。建築部材の搬入や鉄骨組立て、テント倉庫の生地貼りが行われます。扉や換気扇などの付帯工事も行われますので、7日~10日ほどで完成します。
最短1週間程度で完成することもあるため、短期間で建設できることが、テント倉庫の最大の特徴です。
テント倉庫の工事完了後は、設計図どおりに建設されているか、申請書類と相違がないかを施工業者とともに現地で確認を行います。指定検査期間による完了検査を行い、問題がなければ引き渡しがされ、終了となります。
なお、完了検査とは、建築物の工事が完了した場合、建築前の確認申請手続きと同じように建築基準法などの法令にて適合しているか、検査を受けなければいけません。
建築主は工事が完了した日から4日以内に「完了検査申請」を行う必要があります。申請にもとづき法令に適合していると判断されれば「検査済証」が交付されて完了となります。
この検査済証の交付を受けるまでは建築物を使用できない場合もあるので、機材搬入などのスケジュールは余裕を持って組むことをおすすめします。
ここでは、テント倉庫の選び方について解説します。
ント倉庫の使用目的は「倉庫」であることです。これは、国土交通省告示第667号にて、テント倉庫の広さや形、大きさ・使用用途などの条件が定められています。倉庫以外で使用する場合は、膜構造(まくこうぞう)の建築物として申請する必要があります。
膜構造は、東京ドームの屋根の部分や、博覧会のパビリオン、空港や駅舎などに使われている構造です。テント倉庫の収納物としては、食品や半製品・完成品、各種製造業の材料などです。製品を仕分けするための仕分け場としても使用されます。
テント倉庫の大きさは、延べ面積1,000㎡以下、軒高5m以下と国土交通省の定めにより決められています。規定以上の大きさが必要な場合は「用途・収納物」でも説明しましたが膜構造の建築物となり、別途申請が必要となります。
テント倉庫には主に4つのタイプがあります。
・固定式(閉鎖型)
テント倉庫の基本は、この固定式(閉鎖型)です。四方がシートで覆われているため、別名シートハウスとも呼ばれています。四方がすべてシートで覆われているため、部品や材料の保管に適しています。
また、固定式(閉鎖型)は積雪にも耐えうる設計のタイプもありますので、豪雪地帯での使用したい人にもおすすめです。固定式(閉鎖型)は、風の通り道がないため、熱がこもりやすいことがデメリットです。エアコンなどで空調管理をしっかりとする必要があります。
・固定式(側面開放型)
固定式(側面開放型)は、片側もしくは両面が開放されているテント倉庫のことです。別名「上屋テント」「荷捌(さば)き用テント」と呼ばれています。内外移動がしやすいため、たくさんの荷物が必要な場合に適しています。
固定式(側面開放型)は、固定式(閉鎖型)に比べて、外気温や雨風の影響を受けやすいことがデメリットですが、倉庫の一部が開放されていることによって、熱がこもりにくいことはメリットともいえるでしょう。
雨風の侵入を受けないようにするためには、開口部にカーテンなどを取り付けて開閉できるようにするのがおすすめです。
・伸縮式
伸縮式は、ジャバラのように伸び縮みさせることができるテント倉庫です。「ジャバラハウス」や「アコーディオンハウス」とも呼ばれています。ジャバラ構造の骨組みにすることで伸縮が可能となり、状況に応じて大きさを変更できることが特徴です。
・移動式
移動式は倉庫にキャスターが取り付けられており自由に移動させることができます。荷物の運搬がしやすいことや、大小の建材を出し入れしたいときには重宝するでしょう。移動式にすることで、気軽に設置場所の変更ができるのがメリットです。
テント倉庫は、建物自体が軽量に設計されているため、杭工事が不要で軟弱な地盤でも建設が可能です。また、正方形や長方形の土地はもちろん、三角地帯や台形などの特殊な土地にも建てられます。
テント倉庫はさまざまな形状の土地にも建設が可能ですが、高さに制限があります。テント倉庫はテント生地と骨組みで構成されているため、4mまでが安定性の出る限度とされています。4m以上になってしまうと不安定になってしまうため、高さの制限は守るようにしましょう。
テント倉庫は敷地内の配置にも基準があります。建築基準法第2条六「延焼のおそれのある部分」により、隣接する建物や道路の境界線から一定の距離を保つ必要があり、その理由は火災が起きたときに火災をそれ以上広げないようにするためです。
・隣接する土地との境界線から3m
・隣接する道路の中心線から3m
・建物が2階建て以上であれば、隣接境界線・道路中心線から5m
上記がその距離になります。また、隣接する道路や建物が近いほど基準は厳しくなります。
テントの予算は、通常タイプや積雪タイプ、仕様やサイズ、オプションによっても異なります。参考として、自由設計と規格化設計の価格は以下のとおりです。
自由設計テントは、1平方メートルあたり19,146円~24,980円です。変形形状や出入口などのオプションに対応でき、幅広い要望にも応えられるのが自由設計テントの特徴です。
規格化テントは、1平方メートルあたり17,231円~22,482円です。正面幅の間口サイズと建物の奥行きをそれぞれ数メートル間隔で規格化したテント倉庫です。
テント倉庫をどのような用途で使用するかで、倉庫のサイズや扉の有無や位置、種類などの希望を出しましょう。また、換気扇やひさし、雨どいやシートカーテンなどのオプションを追加することで、倉庫を快適に活用できます。施工業者と相談しながら、目的に合う希望のテント倉庫にしていきましょう。
1点目は、事前打ち合わせから完了までを自社一貫体制で行えるかどうかが重要です。大手メーカーでは、下請け業者に依頼するケースも多く、中間マージンを取られることも多いです。
また、事前打ち合わせの担当者と現場担当者が違うこともあり、話が伝わっていなかったなどで、要望どおりに仕上がっていないことも考えられます。テント倉庫建設を満足行くものにするためには、自社一貫体制かどうか確認するようにしましょう。
2点目は、引き渡し後もアフターフォローができる体制が整っているかどうかも重要なポイントです。安い価格で建設できたとしても、建てて終わりの会社では何か不具合が起きたとしても対応してくれない可能性があります。
契約の際は、保証の年数やどこまでアフターフォローしてくれるのかを、よく確認しておくようにしましょう。
テント倉庫は移動式や伸縮式など、比較的自由度の高い倉庫建築ではありますが、こちらの要望に応じたオーダーメイドしてくれるかも業者選びの決め手となります。
建設する土地もすべてがよい土地とは限りません。希望する土地にあった建築ができるかどうか、耐震性を重視した高強度の構造ができるか、火災に強い防火性に優れたテント倉庫ができるかなど幅広いオーダーにも応えてくれるかどうかもポイントです。
テント倉庫の施工実績が豊富かどうかもチェックしておきたいポイントです。実績が豊富ということは、さまざまな経験やノウハウを蓄えていると考えます。施工技術の高さや対応力、提案力が期待できるでしょう。施工実績はホームページに載せていることも多いので、これまでどのようなテント倉庫を建設してきたのかが確認できます。
また、その会社の口コミもあわせて見てみると、信頼できる会社かどうかの判断ができます。メールや電話で問い合わせてみて、対応が丁寧かどうかもチェックしてみるとよいでしょう。
テント倉庫の建設は、2~3か月程度の短期間で建築が可能です。軽量な骨組み構造のため、地盤が緩い状態の土地でも杭工事が不要なことから、短く建築できます。
テント倉庫の種類は固定式から、伸縮式・移動式などさまざまな形を選ぶことができます。さらに、倉庫のサイズや扉の有無や位置、換気扇や雨どい、シートカーテンなどのオプションも追加で設置が可能です。
山口産業のテント倉庫は、国土交通省公示667号にもとづく安心安全設計で、長期に渡りご利用が可能です。設計から施工までを一貫して請け負うため、スムーズな工事に迅速に対応いたします。テント倉庫の導入を検討している方は、ぜひ山口産業へご相談ください。
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