2026.09.09
▼ ファブリックファサードとは
膜材(ファブリック)で建物の外装を覆う工法です。 金属や硝子にはない、布ならではの表情をつくり出します。
✔ 軽量で既存建物の改修・リニューアルにも対応
✔ 日射を和らげつつ、柔らかな光を内部へ
✔ 夜は光が反転し、面全体が街に向かって発光
✔ シワ・うねり・ドレープなど、布ならではの意匠表現
▼ チャプター
0:00 オープニング
0:35 デザインの発想起源 — お祭りの紅白幕
1:06 なぜ金属ではなく膜だったのか(素材選定)
2:03 「たくし上げる」デザインと交差点への見せ方
3:08 膜がなかったら? — 意匠的価値と昼夜の変化
4:53 完成度は何%? — 「60%」の真意
6:26 構造のハードル — 責任分解点と鋼材のR制限
8:01 消防との調整と、予算立てのストーリー
9:08 建築物か、工作物か — 法規制をどうクリアしたか
10:15 次はどんな建物に膜を使いたいか
11:52 これから検討する方へのメッセージ
13:02 山口産業と仕事をしてみて
14:01 「どこの馬の骨かもわからない」問い合わせから始まった
課題:
解決策:
効果:
質問:今回、那覇・松山のテナントビルにおいて「ファブリックファサード(膜外装)」を採用された経緯を教えてください。
回答: 元々、お施主様から「今までの松山には絶対にない雰囲気の建物を建ててほしい」という強いオーダーをいただいていました。そこで打ち合わせを重ねる中で、角地という立地を活かし、地域のお祭りのように人々が集まる場所を創りたいね、という話になりました。 その際、人を集めて包み込む「紅白幕」のようなイメージから、外壁を「柔らかい布のような素材」で覆いたいというアイデアが生まれたのです。 最初はパンチングメタルや金属ルーバーなども検討しましたが、なかなかイメージする柔らかさや一体感が表現できずにいました。そんな中、たまたま山口産業さんの「膜」という選択肢に出会い、「これならいける、ぜひ使ってみたい!」とお施主様へ提案をさせていただいたのが始まりです。沖縄でも非常に珍しいケースでしたので、お施主様もこの「膜構造」の提案に大変高い関心を持って快諾してくださいました。
質問:法的規制の厳しい日本国内、特に台風の通り道である沖縄において、構造計算や消防法などのハードルはどのようにクリアされましたか?
回答: お施主様も施工側も一番気にしていたのは、やはり「消防関係」の安全性でした。窓を膜で覆うことになるため、万が一の救助活動に影響がないかという点です。これについては、設計初期から山口産業さんと一緒にあらかじめ消防当局に何度も足を運び、膜材の透光性や不燃・難燃データ、救助時の取り扱いを提示して協議を重ねました。事前に明確な調整ができていたため、施工前の段階でみんなの不安はきれいに払拭されていましたね。 また、今回はファサードを「工作物」として定義したため、建物本体の構造計算と工作物の構造計算という2つを整理する必要がありました。建物側の構造設計者と山口産業さんの構造設計者の間で「どこまでを誰が設計担保するか」という責任分解を非常にスムーズに調整していただき、建築確認申請を完璧に通すことができました。 予算面でも、設計の初期段階でファサード工事やライティング演出の予算を先にホールドし、そこから逆算して建築や設備の工事に割り振るストーリーを構築したため、元請けさんや施工会社さんと金額面で揉めることもなく、極めてクリアに進行できました。
質問:あえて「シワやうねり」を意匠にするという、膜構造としては相反する極めて難易度の高い設計・製作プロセスはいかがでしたか?
回答: 本当に大変な挑戦でした。本来、膜材は強風によるバタつき(フラッタリング)や破損を防ぐために、高い緊張力をかけてシワひとつないように展張するのが建築上の大原則です。しかし、今回は「紅白幕をたくし上げたような、有機的で柔らかい表情」がコンセプトでしたので、あえて「意匠としてのシワ」を美しく見せる必要がありました。 このうねった表情を作り出すため、山口産業さんはアルミ型材や鉄骨の「下地材自体を3次元に湾曲させる」という、非常に困難な曲げ加工を行ってくれました。基本設計の段階から設計担当の方が実務に入り込んで図面やディテールを検証してくださり、工場での製作中も数時間に一度、現物の仕上がりをチェックするなど徹底した品質管理を行っていただきました。沖縄に旅立つ施工管理チームとも施工前に綿密な調整を行い、私たちの設計意図を完全に現場へ引き継いでくれたことには本当に感謝しています。
質問:完成したファサードをご覧になった第一印象と、今後の可能性についてお聞かせください。
回答: ほぼ100%、自分たちが思い描いた通りの美しいたくし上げ感、そして布が持つ独特の「不思議なふわふわ感」が表現されていて、本当にうまくいって嬉しいです。 何より嬉しかった誤算は、夜間になって建物内部のRGB照明が点灯した瞬間です。膜を透過した光が、内部の白いホワイエ空間と相まって、不思議で神秘的な色合いにふわっと染まる効果が生まれました。日中の西日のまぶしさや熱をきれいに遮りながら、夜は昼とは全く違うドラマチックな表情へと反転する、この街に与えるインパクトはものすごく大きいと思います。 今回のプロジェクトでは、山口産業さんの「レスポンスの速さ」と、提案に対する「明確な技術的根拠」の提示スピードに本当に救われました。初めて問い合わせをしたその日に即レスをくださり、どこの馬の骨かもわからない私たちに対しても、一貫して丁寧でスピーディーに対応していただけたことが、この素晴らしい建築を実現できた最大の決め手です。 法規や技術的なハードルはまだ多くありますが、この意匠価値と省エネ性を活かせば、商業施設だけでなくオフィスビル、さらには学校などの公共施設や一般住宅にも一気に展開できる素晴らしい可能性を感じています。
▼ お問い合わせ
ファブリックファサード・膜構造建築・テント倉庫のご相談は こちらから。設計段階のご相談も歓迎です。
🌐 公式サイト:https://membry.jp/
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