2026.01.23
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倉庫の新設や増設を検討する際、比較的安価で工期も短いことから、プレハブ倉庫を候補に挙げる企業は少なくありません。
コストを抑えつつ早く使い始められる点は、プレハブ倉庫の大きな魅力といえるでしょう。

一方で、倉庫は用途や将来的な増設・移設の可能性によって、適した工法が異なります。建築費用の安さだけで工法を選んでしまうと、使い勝手や柔軟性の面で課題が生じることもあります。
本記事では、プレハブ倉庫の種類や価格相場、メリット・デメリットから、プレハブ以外の工法による倉庫についても解説します。
倉庫づくりでプレハブ倉庫を選択肢に入れている方は、ぜひ検討材料としてご活用ください。
プレハブ倉庫とは、工場であらかじめ製作された規格パーツを現場で組み立てて建設する倉庫です。主要な部材や構造が標準化されているため、現場での作業工程が少なく、比較的短期間で建設できる特徴があります。
部材や施工手順があらかじめ決まっていることから、設計や施工にかかるコストを抑えやすく、倉庫をできるだけ安価かつスピーディーに用意したい場合に選ばれやすい工法といえるでしょう。
プレハブ倉庫は、一般的な倉庫用途のほか、ガレージや小規模な店舗、事務所、スポーツ施設など、さまざまな用途で活用されています。用途や規模によって仕様は異なるものの、手軽に建設できる点から、仮設・常設のどちらにも対応しやすい倉庫です。
一口にプレハブ倉庫といっても、使用される構造や素材によって、特徴や適した用途は異なります。建築費用の目安や耐久性、倉庫としての使い勝手にも違いがあるため、種類ごとの違いを理解しておきましょう。
ここでは「木材系」「ユニット系」「鉄骨系」「コンクリート系」の4種類に分け、それぞれの特徴や向いている用途について解説します。
木材系プレハブ倉庫は、木材によるパネルや柱、梁などの部材を工場で製作し、現場で組み立てて建設する倉庫です。
外部や水回りに使用される部材には防腐・防蟻処理が施されることが多く、外周パネルに断熱材を組み込むケースもあります。木材住宅のような倉庫とイメージされやすいのですが、一定の性能が確保されている倉庫であり、小規模な用途や、保管環境を重視するケースで有効な選択肢です。
工場生産により品質が安定し、工期を短縮しやすい点が特徴です。
ユニット系プレハブ倉庫は、鉄骨や木材をフレームとした箱型ユニットを工場で製作し、現場で連結して完成させる倉庫です。
設備や配線、配管なども工場内で施工されるため品質が安定し、現場作業が少ない点が特徴です。工場生産の割合が高く施工手順も標準化されているため、天候の影響を受けにくい点もメリットといえるでしょう。
工期を短縮しやすく、増築など将来的な計画にも対応しやすい工法です。
鉄骨系プレハブ倉庫は、柱や梁、壁パネルなどの主要構造部材に軽量鉄骨を使用します。
鋼材は工場で切断や穴あけ、防錆処理などの加工が施され、現場では溶接を最小限に抑え、ボルト固定を中心に組み立てられます。そのため施工のばらつきが少なく、工期を短縮しやすい点が特徴です。
鉄骨は狂いが生じにくく耐火性にも優れており、敷地条件に合わせた間取り計画がしやすい点もメリットといえるでしょう。
コンクリート系プレハブ倉庫は、工場で生産されたコンクリートパネルを現場に搬入し、床・壁・屋根を組み立てて建設する工法です。
工場内で配筋や配管用部品を組み込んだうえで製作されるため、品質が安定しやすくなる特徴があります。
耐火性や耐久性、遮音性に優れており、他の工法と比べて法定耐用年数が長い点もメリットといえます。一方で部材が重いため、敷地条件によっては地盤補強が必要となる場合があります。
プレハブ倉庫の建築費用は、工法や仕様、建物の規模によって大きく異なりますが、一般的には坪単価15万~30万円程度が目安とされています。
ただし、この金額はあくまで参考値であり、実際の費用は用途や設備内容によって変動します。
また、延床面積が大きくなるほど、1坪あたりの単価は下がる傾向があります。これは、建物全体で見た際に、基礎工事や設計費などの固定費を分散できるためです。
例えば、延床面積が1,000㎡を超える平屋建ての倉庫では、柱の少ない大空間を確保しつつ、物流作業に配慮した開口部や採光計画が採用されるケースが多く見られます。
一方、事務所を併設した2階建てのプレハブ倉庫では、保管スペースだけでなく執務空間や動線計画も必要となり、構造や設備の条件によって費用に差が出ます。
このように、プレハブ倉庫の価格は「坪単価」だけで判断できるものではなく、建物の規模や用途、求める機能を踏まえて検討することが重要です。
プレハブ倉庫のメリットは、規格化された部材を用いることで建築費用を抑えやすく、工期も短縮しやすい点に加え、増設や移設など将来的な変更にも対応しやすいことです。
ここでは、プレハブ倉庫が選ばれやすい理由を理解するために、メリットを3つに分けてご紹介します。
プレハブ倉庫は、在来工法やシステム倉庫と比べて、建築費用を抑えやすいことがメリットです。
部材や構造、施工手順があらかじめ規格化されているため、設計や現場作業にかかる手間を削減でき、コストを効率的に管理できます。
また、主要な部材は工場で生産されることが多く、精度や品質が安定しやすい点も特徴です。
仮設用途のイメージを持たれがちですが、用途に合った仕様を選び、定期的なメンテナンスを行えば、20年以上にわたって使用されることもあります。
2つめのメリットは、工期を短縮しやすい点です。プレハブ倉庫は、工場で製作された部材を現場で手順どおりに組み立てる工法をとります。
構造や施工方法があらかじめ標準化されていることから、現場での加工や調整作業が少なく、天候などの影響も受けにくくなります。
工期が短くなることで、現場作業に必要な人員や作業日数を抑えやすくなり、人件費の削減につながることもあるでしょう。
また、倉庫を早期に使用開始できるため、事業計画や物流計画をスムーズに進めやすいのもメリットです。
プレハブ倉庫は部材のサイズや形状が一定で、構造も規格化されているため、増設や移設を検討しやすいです。
用途や保管量の変化に応じて、倉庫を拡張したり、配置を見直したりといった対応が比較的容易に行えます。部材を分解して別の場所で再度組み立てることも可能なため、移転を伴う計画にも柔軟に対応できます。
事業規模の拡大や縮小、拠点の再編など、将来的な変化を見据えた倉庫づくりを行いやすい点は、プレハブ倉庫ならではの特徴といえるでしょう。
プレハブ倉庫は、コストや工期の面でメリットがある一方で、設計の自由度や構造上の制約といった注意点もあります。用途や規模によっては、プレハブ工法が必ずしも最適とは限らないため、デメリットはよく理解しておきましょう。
ここでは、プレハブ倉庫を採用する際に押さえておきたい主なデメリットについて解説します。
メリットでもお伝えしたように、プレハブ倉庫は規格化された部材を使用します。そのため、サイズや形状の選択肢が限られやすく、設計の自由度が高いとはいえません。
特殊な形状の建物や、意匠性を重視したデザインには対応しにくい点がデメリットです。
厳密な温度管理が求められる倉庫や、クリーンルームのような特殊用途では、仕様面で制約が生じる場合があります。一方で、保管を主目的とした簡易的な倉庫であれば、必要十分な性能を確保できるケースも多く、用途を明確にしたうえで選択できると安心です。
プレハブ倉庫は構造の強度を確保するため、柱と柱の間隔が比較的短くなる傾向があります。そのため、倉庫内に大型設備や機械を設置する場合や、フォークリフトを使用して頻繁に荷物を移動させる場合には、作業スペースや動線に制約が生じることがあります。
柱の配置によっては、庫内のレイアウトが複雑になり、作業効率に影響を与える可能性もあるでしょう。
保管物のサイズや搬入出方法、作業動線を事前に整理したうえで、プレハブ倉庫が適しているかを検討することをおすすめします。
倉庫の工法には、プレハブ工法のほかにも、在来工法やシステム工法、テント工法など、さまざまな選択肢があります。
プレハブ倉庫はコストや工期の面でメリットがある一方、設計の自由度や柱配置などに制約が生じる場合もあるため、用途によっては別の工法を検討したほうが適しているケースもあります。
こうした背景から、近年注目されているのがテント倉庫です。
テント倉庫は、
という特長があります。
また、用途や保管物に応じてサイズや仕様を柔軟に調整しやすく、事業内容の変化にも対応しやすい工法です。
コストだけでなく、工期や使い勝手、将来的な拡張性まで含めて総合的に考える場合、テント倉庫は有力な選択肢の一つといえるでしょう。
山口産業では、こうした特長を活かしたテント倉庫の提案を行っており、用途や条件に応じた倉庫づくりをサポートしています。
プレハブ倉庫は建築費用を抑えやすく工期も短いことから、倉庫を早く用意したい企業にとって有力な選択肢です。
一方で、設計の自由度や柱配置などの制約もあるため、用途や将来的な運用を踏まえて工法を選ぶ必要があります。
倉庫の工法には、プレハブ倉庫以外にもさまざまな選択肢があります。中でもテント倉庫は、短工期で建設できる点や、柱の少ない広い空間を確保しやすい、用途に応じた柔軟なカスタマイズが可能など、総合的なバランスに優れた工法です。
山口産業では、予算や用途に合わせたテント倉庫の提案を行っており、シャッターやドア・窓、換気設備などのオプションも豊富に用意しています。
倉庫づくりで工法選びに迷っている場合は、ぜひ一度相談してみてください。
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