2026.01.16
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倉庫の新設や増設を検討する際、多くの企業がまず気になるのが建築費用です。
「できるだけコストを抑えたい」「無駄な出費は避けたい」と考える一方で、工法や仕様の選び方によって費用に大きな差が出ることは、意外と知られていません。
倉庫を安く建てるためには、建築費の安さだけではなく、工法の特徴や用途との相性、長期的な運用コストまで含めて考える必要があるでしょう。
本記事では、倉庫の主な工法と建築費用の目安をわかりやすく解説し、倉庫を安く建てるための具体的なポイントや注意点をご紹介します。
自社に合った倉庫づくりを検討するための参考として、ぜひご活用ください。
倉庫の建築費用は、選ぶ工法によって大きく変わります。
一概に「この工法が安い」「この工法が高い」と言い切れるものではありませんが、構造や施工方法の違いから、コストがかかりやすい工法・抑えやすい工法の傾向は見えてきます。
ここでは、テント倉庫を数多く手がけてきた弊社の視点から、各工法の特徴と費用感を解説します。
在来工法は、柱や梁で建物を支える従来型の構造で、倉庫の用途や敷地条件に合わせて柔軟に設計できる点が特徴です。建物の形状やサイズ、耐荷重などを細かく調整できるため、土地の形が複雑な場合や、将来的な用途変更を見据えた設計にも対応しやすい工法といえます。
一方で、設計自由度が高い分、使用する資材や施工工程が増えやすく、設計費や工事費が膨らみやすい点には注意が必要です。
仕様によって価格の幅が大きく、明確な相場を示しにくいのも在来工法の特徴であり、結果として4つの工法の中では建築費用が高くなるケースも考えられます。
倉庫をできるだけ安く建てたい場合には、コスト面で慎重な検討が求められる工法です。資金に余裕があり、構造や設計にこだわりたい場合には有力な選択肢ですが、費用を抑えることを重視する場合は、他の工法とも比較しながら検討することをおすすめします。
システム工法は、柱や梁、外装などの部材を規格化し、設計から施工までを効率化した工法です。
標準化された仕様を前提としているため、在来工法に比べて建築費用を抑えやすく、工期も短くなる傾向があります。
費用の目安としては、坪単価13万〜20万円程度が一般的で、在来工法の約3分の2前後に収まるケースも少なくありません。設計が早い段階で確定し、見積もり作成がスムーズに進む点も、コスト管理のしやすさにつながります。
また、耐震性や耐久性にも優れており、将来的な増設や併設に対応しやすい点も特徴です。一方で、仕様がある程度決まっているため、デザインや形状の自由度は高くありません。
倉庫をできるだけ早く、一定の品質で安く建てたい場合に適した工法といえます。
もう一つの工法がプレハブ工法です。工場で生産・加工された床や壁などの部材を、現場で組み立てる工法で、建築費用を抑えやすい点が大きな特徴です。
坪単価は8万〜15万円程度が目安とされ、4つの工法の中でも比較的安価に建てられます。施工工程がマニュアル化されているため、工期も短く、移設や増設がしやすい点もメリットです。
一方で、規格化された部材を使用するため、設計やレイアウトの自由度は高くありません。また、柱と柱の間隔が短くなりやすく、広い無柱空間を確保しにくい点には注意が必要です。
保管する商品のサイズや倉庫内での作業人数によっては、スペース効率が下がり、運用面で制約が生じる可能性もあります。
プレハブ工法は初期費用を抑えたい場合には有効な選択肢です。ただし、長期的な使い勝手や作業効率まで考慮した場合、用途によっては他の工法との比較検討が欠かせません。
最後はテント工法です。こちらは、鉄骨フレームに膜材を組み合わせて建築する工法で、比較的低コストかつ短工期で倉庫を建てられる点が特徴です。
基礎や構造をシンプルにできるため、建築費用を抑えやすく、条件次第ではプレハブ工法と同程度、もしくはそれ以下に収まるケースもあります。
建造物の特徴から柱の少ない広い空間を確保しやすく、保管効率や作業動線を柔軟に設計できる点もメリットです。保管物のサイズが大きい場合や、フォークリフトなどの車両が出入りする倉庫にも適しています。
工期が短く、将来的な増設やレイアウト変更にも対応しやすいため、初期費用だけでなく運用面まで含めてコストを抑えたい場合に有効な工法といえるでしょう。用途や条件が合えば、費用・機能性・柔軟性のバランスに優れた選択肢となります。
倉庫を安く建てるためには、工法選びだけでなく、土地条件や資材、設備、運用方法まで含めて総合的に検討することが重要です。
ここでは、建築費用を抑えつつ、使い勝手や将来性も損なわないための5つのポイントを詳しく解説します。
倉庫の建築費用は建物本体だけでなく、土地の地盤状況によっても左右されます。
地盤が弱い土地では、建物を安全に支えるために地盤改良が必要となり、工法や規模によっては数百万円から数千万円単位の追加費用が発生することもあります。
さらに、改良工事が入ることで工期が長引いてしまうこともあるでしょう。
そのため、倉庫を安く建てたい場合は、もともと地盤が強い土地を選ぶことが重要です。あわせて、倉庫を建設できる用途地域かどうかも事前に確認しておくことで、無駄な調査や設計変更を防ぎ、結果的にコスト削減につながります。
倉庫を安く建てるためには、価格だけで工法を選ぶのではなく、保管物や使用目的に合った工法を選ぶことが重要です。
保管する商品の重量やサイズ、求める強度、想定する耐用年数によって、適した構造は異なります。用途に対して過剰な性能を持つ工法を選ぶと、必要以上に建築費用がかかってしまうことがあります。
例えば、耐久性や構造強度を重視する場合にはシステム工法が向いている一方、短工期での建設や将来的なレイアウト変更を重視する場合にはテント工法が有効な選択肢です。
このように、目的に合った工法を選ぶことで、無駄なコストを抑えつつ、実用性の高い倉庫を建てることができます。
倉庫の建築費用を抑えるためには、建築資材を価格だけで判断するのではなく、用途に対して適切な素材を選びましょう。
主な建築資材には、木造・鉄骨・鉄筋コンクリートの3種類があり、それぞれ特徴が異なります。
木造は比較的コストを抑えやすく、小規模な倉庫や簡易的な用途に向いています。一方、鉄骨造は強度と施工性のバランスに優れており、多くの倉庫で採用されている資材です。
鉄筋コンクリート造は耐久性や耐火性に優れる反面、建築費用が高くなりやすいため、必要以上の性能を求めるとコスト増につながります。
用途に合わない資材を選ぶと、過剰な性能に対する費用が発生するため、必要な強度や使用年数を見極めたうえで資材を選ぶことが、結果としてコスト削減につながります。
倉庫を安く建てるためには、内装や設備を必要以上に充実させないこともポイントです。
電気工事や給排水工事、空調設備などは、後から追加できるものも多く、初期段階ですべてを整えると建築費用が膨らみやすくなります。実際の運用を想定し、本当に必要な設備を見極めることで、無駄なコストを抑えられます。
ただし、設備をなくしシンプルに設計すればよいというわけではありません。
例えば、採光を確保できる構造であれば、日中の照明使用を抑えられ、電気代の削減につながります。自然換気を活かすことで、空調設備を最小限に抑えることも可能です。
このように、設備を増やすだけでなく、建物の構造を工夫して長期的なランニングコストを削減することも有効です。
倉庫の建築にあたっては、国や自治体が実施する補助金制度を活用できる場合があります。代表的なものとして、ものづくり補助金や事業再構築補助金などが挙げられますが、対象となる事業内容や条件は制度ごとに異なり、必ず利用できるとは限りません。
また、要件の確認や申請書類の作成には手間がかかり、内容によっては専門的な知識が求められることもあります。
補助金は建築費用を抑えるための一つの手段として位置づけ、制度の最新情報を確認したうえで、必要に応じて専門家のサポートを受けながら検討すると安心です。
倉庫を安く建てるうえで注意すべきなのは、初期費用だけに目を向けず、法規制や将来の運用まで含めて判断することです。
ここでは、コストを抑えようとして後から問題が生じやすいポイントを中心に、押さえておきたい3つの注意点を解説します。
倉庫を安く建てる際は、建築に関わる法律や規制を事前に確認しておくことが欠かせません。
倉庫建築には、用途地域を定める都市計画法をはじめ、建築基準法や消防法、地域ごとの条例など、複数の法律がかかわっています。
これらの要件を十分に確認せず、費用の安さだけで計画を進めてしまうと、完成後に倉庫として使用できなかったり、是正工事や設備追加が必要になったりするリスクが高まるでしょう。
コストを抑えるためにも、早い段階で法的条件を整理し、建築可能かどうかを確認したうえで計画を進めることをおすすめします。
倉庫にかかる費用は、建築時の初期費用だけではありません。完成後も光熱費などのランニングコストや、定期的な修繕費用が発生し、建物の耐用年数によっては将来的な建て替えや解体費用も必要です。
初期費用を抑えられたとしても、維持費がかさむ構造や劣化が早い仕様だと、長期的にはコストが高くつく可能性があります。
倉庫を安く建てるためには、建築費用とあわせて、運用期間全体を見据えたトータルコストで判断することが重要です。
倉庫をなるべく安く建てたいと考えるのは自然なことですが、「とにかく初期費用を抑えたい」という発想だけで計画を進めるとうまくいきません。無理に自社で倉庫を建築すると、資金繰りや運用面で負担が大きくなる可能性があります。
その場合は、倉庫を建てることにこだわらず、賃貸倉庫を借りる、あるいは倉庫保管サービスを利用するといったアウトソーシングも一つの選択肢です。
保管スペースの提供だけでなく、在庫管理や入出庫、配送まで含めて任せられるサービスもあり、初期費用を抑えながら業務を進められる場合があります。
自社の事業規模や将来計画に応じて、建築以外の選択肢も含めて検討してみると、結果的なコスト削減につながります。
倉庫を安く建てるためには、工法の価格だけを見るのではなく、土地条件や用途、資材、設備、将来の運用まで含めて総合的に検討してみましょう。
初期費用に目が向きがちですが、使い勝手やランニングコストに無理があると、結果的に負担が大きくなるケースも多く見られます。
用途や条件に合った工法を選ぶことで、無駄なコストを抑えながら、実用性の高い倉庫を建てることが可能です。
なかでもテント倉庫は、費用・工期・空間効率のバランスに優れており、条件次第では有力な選択肢となります。
山口産業では、ご予算や用途に応じて最適なテント倉庫をご提案しています。
設計・製造・施工からアフターサービスまでワンストップで対応できるため、倉庫建築に不安がある方も安心してご相談いただけます。
倉庫の新設や増設をご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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