2025.07.22
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「農機具の保管場所が足りない」「天候に左右されない作業場が欲しい」「牛舎を新設したいけれど、予算や工期が心配」
そんな悩みを抱える農業・畜産業の経営者の方へ、テント倉庫という選択肢が注目されています。
テント倉庫はコストパフォーマンスや設置の自由度に優れた構造物で、農業資材の保管庫から牛舎まで、さまざまな現場で活用されています。
そこで本記事では、農業・畜産業におけるテント倉庫の導入メリットや具体的な活用シーン、施工事例までをわかりやすくご紹介します。テント倉庫を検討中の方はぜひ参考にしてください。
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テント倉庫とは、鉄骨で組まれた骨組みにシート状の膜材を張って屋根や壁を構成する構造物で、主に簡易倉庫や作業場として活用されます。「シート倉庫」「テントハウス」などと呼ばれることもあります。
骨組みに使用する鉄骨は強度があり、耐久性にも優れているため、風雨や紫外線から農業機械や資材をしっかり守ることが可能です。また、一般的な建築物と比べて工期が短く、コストを抑えて設置できる点も大きな特長です。
テント倉庫は仮設的な印象を持たれがちですが、国土交通省告示第667号で構造基準が定められており、法的にも適正に扱われる建築物です。用途や地域によっては、確認申請や建築許可が必要になる場合もありますが、こうした法的整備があることで、安全性や信頼性を確保できます。
農業・畜産業の現場では、さまざまな用途でテント倉庫が活用されています。以下に代表的な活用シーンと、それぞれの特徴を紹介します。
■ 農機具・資材置き場
農業用トラクターやコンバインなどの大型機械、肥料や支柱といった資材をまとめて保管できます。天候による劣化や盗難のリスクを軽減し、作業効率の向上にもつながります。
■畜舎(牛舎・豚舎など)
家畜の飼育環境としても利用されており、通気性の高い膜材により快適な室内環境を保ちやすいのが特長です。増設やレイアウト変更も柔軟に対応可能です。
■堆肥舎
堆肥や飼料の一次保管・発酵に活用されており、雨風を防ぎながら内部の温度・湿度管理がしやすい構造です。周囲への臭気対策にも配慮した設計が可能です。
■ バイオマス施設
木材チップや家畜排せつ物など、再生可能資源の保管・乾燥施設として使用されます。施設全体のコストダウンを図りつつ、導線の確保や安全性も考慮できます。
■ 陸上養殖施設
海水や淡水を使った陸上養殖にも導入されており、採光性・通気性を活かした環境制御が可能です。規模の拡張や内部設備の変更にも対応しやすい点が支持されています。
農業や畜産業の現場でテント倉庫が選ばれるのは、コスト面だけでなく使い勝手や施工スピードにも優れているからです。
ここでは、導入によって得られる主なメリットを紹介します。
テント倉庫は、導入コストと耐用年数のバランスに優れた施設です。
ビニールハウスの一般的な耐用年数が1~5年程度とされるのに対し、テント倉庫に使用される膜材(シート)は約10~15年の耐久性があり、より長く安心して使用できます。
さらに、骨組みに使われる鉄骨部分は約30年の耐用年数があるため、膜材を定期的に張り替えることで、構造全体としてはさらに長期的な運用も可能です。
「簡易すぎず、かといって過剰にコストをかけたくない」というシーンにとって、非常にコストパフォーマンスの高い選択肢となります。
テント倉庫は中柱を設けずに広い空間を確保できる構造のため、倉庫内のレイアウトを自由に設計できます。
農機具や資材の保管場所、作業スペースなどを用途に合わせて自在に配置できるほか、後からレイアウトを変更するのも容易です。
たとえば収穫量の変化や新しい農機具の導入など、現場の状況に合わせて柔軟に使い方を見直せるため、長期的にも安心して運用できます。
テント倉庫は、一般的な倉庫や畜舎に比べて、工期が大幅に短いという特長があります。
建築に数カ月かかることもある鉄骨造や木造に対し、テント倉庫であれば最短10日程度で設置が完了するケースもあります。
また、地盤改良が不要な場合も多く、工期短縮とコスト削減の両面で効果が期待できます。
張り替えや建て替え時にも短期間で作業が終わるため、飼育中の家畜へのストレスを最小限に抑えられるのも大きなメリットです。
テント倉庫は、用途や設置環境に応じて多彩なオプションを選べるのも特長です。たとえば、シートには遮熱性・採光性・不燃性・高強度などの性能を持った素材が用意されており、季節や作業内容に合わせて最適な環境をつくることができます。
また、出入口の形状やサイズ、換気設備の設置なども自由にカスタマイズ可能です。
農作業の導線確保や家畜の健康管理など、それぞれの現場に合った仕様に調整しやすいため、長く快適に使える施設としての柔軟性があります。
テント倉庫の導入を検討する際には、国や自治体による補助制度を活用できる可能性があります。特に農業・畜産業向けには、施設整備や経営改善を支援するためのさまざまな制度が用意されています。
たとえば、農林水産省が実施する「産地生産基盤パワーアップ事業」では、地域の産地づくりに必要な施設整備を支援する制度があり、テント倉庫のような施設にも活用できるケースがあります。
また、静岡県では「持続的農業経営支援事業費補助金」として、施設整備や省力化設備の導入に対する支援制度が設けられていました(※令和7年度の募集は終了)。
このように、お住まいの地域でも同様の制度が実施されている可能性があるため、導入前に自治体の情報を確認しておくことが大切です。
テント倉庫を農業・畜産業に活用した実際の事例をご紹介します。
【施設概要】
大型農業機械の保管を目的としたテント倉庫で、幅15m×奥行45m×高さ5m(計675㎡)の広さを確保しています。
開口部は3か所設けられており、機械の出入りや作業効率にも配慮した設計です。
【施工ポイント】
屋根と壁に採光性の高いシート材(白・アイボリー)を採用し、日中でも照明が不要なほど明るい作業環境を実現しています。多雪地域かつ地盤が弱い北海道での施工でしたが、テント倉庫の軽量性を活かし、柱状改良のみで対応できました。
換気扇は屋根ではなく両妻壁面に2基ずつ配置し、トンネル換気による通気性も確保しています。
【詳しくはこちら】
【施設概要】
農林水産省の「産地生産基盤パワーアップ事業」の補助を活用し、キクの集出荷作業場として建設されたテント倉庫です。
幅8m×奥行22m×高さ5mの規模で、農地を転用して建設されました。
【施工ポイント】
農業用途の作業場としてもテント倉庫が活用できる好事例です。
補助金制度を活用することで、初期費用の負担を抑えながら、地域の生産基盤づくりに貢献する施設となりました。
【詳しくはこちら】
【施設概要】
熊本県に建設された牛舎用テント倉庫で、幅18.5m×奥行65m×高さ3.5mを確保しています。
山口産業と国土クリーン株式会社の共同開発により、畜舎向けのテント建築として実現されました。
【施工ポイント】
本施設は、特定畜舎基準(国土交通省告示第474号)と膜構造建築物(告示第666号)の両方に準拠しており、従来の一般建築工法に比べて約1/2〜1/3のコストで短納期かつ安全性の高い牛舎を実現しています。
テント構造の特長を活かし、無柱で広い空間を確保、膜材には耐アンモニア・耐薬品性に優れた素材を採用し、長期運用にも対応可能です。また、側面は巻き上げカーテン仕様で、現場の環境に応じた換気調整ができる点もポイントです。
【詳しくはこちら】
テント倉庫の導入は、「複雑そう」と感じられるかもしれませんが、山口産業では専任の担当者が丁寧に対応するため、初めての方でも安心して進められます。
ここでは、一般的な導入の流れを簡単にご紹介します。
STEP1:お問い合わせ・ヒアリング(無料)
まずは電話やメールで相談。ご要望や現場の課題を伺い、イメージを固めるお手伝いをします。
STEP2:現地調査・ご提案(無料)
現地を確認し、法規制や地盤などをチェック。適切な構造や仕様をご提案します。
STEP3:お見積り・発注
内容に納得いただければご契約。工程や施工内容の打ち合わせに進みます。
STEP4:建築確認申請・製作開始
必要な書類を作成し、申請手続きへ。許可後、基礎工事と部材の製作が始まります。
STEP5:施工・引き渡し
材料搬入後、施工スタート。施工完了後は検査を経て引き渡しとなり、その後のアフターサポートも充実しています。
詳しい流れやお問い合わせ先はこちらをご確認ください。
テント倉庫は、コスト・工期・柔軟性など多くの面で、農業・畜産業の現場に適した施設です。農機具や資材の保管、牛舎や作業場としても幅広く活用されており、補助金制度を活用した導入事例も増えています。
ご検討中の方は、豊富な施工実績を持つ山口産業までぜひお気軽にご相談ください。
現地調査から施工・アフターサービスまで、専任スタッフが丁寧にサポートします。
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